2015年5月25日月曜日

福島の現実を胸に

 今日は盛りだくさんの福島視察。高橋千鶴子議員からも要望していただき、震災復興特別委員会の視察団に私も加えてもらえ、しっかり学ばねば!と新幹線に乗り込みました。

 盛りだくさんなので、それぞれを簡潔に。

 ①初めに向かったのは楢葉町・モックアップ施設建設予定地。

 廃炉等に向けてロボット開発や、格納容器内を見立てた検証などを進める施設です。

 やみくもにロボットを投入しても、瓦礫などに引っかかれば新たなロボットのゴミ置き場にしかならないわけで、国内はもとより国際的な技術や知見の結集が求められます。

 ②広野町では中高一貫校「ふたば未来学園」の建設予定地へ。

 いま校舎は広野中学校を借りているそうですが、遠藤智町長さんからは合わせて通学でのJRの増便が要望が話されました。

 ③富岡町のエコテッククリーンセンターは、住民からの反対で計画が進んでいません。

 これは1㎏あたり10万ベクレル以下の廃棄物の処分場なのです。

 写真のような白い遮水シートを層にして地盤への影響を防ぐ計画ですが、所管の環境省から議会への説明も2月だったと聞きました。

 難しい課題ですが、住民合意抜きに進めるべきではない問題です。



 ④富岡町では、除染現場も訪れました。

 一軒家なら6~8人ほどで、2~3週間で終えられると言います。

 しかし、面的な除染をしないと周りからの高い線量に侵されるので、計画的に進めている話も伺いました。

 それにしても、現場で働く方には色んな意味で重労働と思うのです。

 移動中にも、家屋だけでなく道路に面した斜面などでの作業も目にしました。

 廃炉作業ともども、何より健康面での配慮が必要と思いました。

 ⑤線量が高く車内からのみでしたが、中間貯蔵施設建設予定地も視察しました。

 やや高台と言える場所からは、福島第1原発も見える距離(写真のずっと奥の方ですが……)。

 ここは福島県内の除染で出た汚染土などの廃棄物を「中間貯蔵」するもの。

 今年の3月に搬入が始まりましたので、国は30年以内に県外での最終処分について決めなければなりません。

 とはいえ、この中間貯蔵施設の地域も地権者が2300人以上いるとされ、合意は進んでいません。

 一部の予定地から始めた「見切り発車」(「毎日」3/14付)との指摘もあり、引き続き十分な検討が必要と思います。

 ⑥浪江町では馬場有町長さんの案内で、主に請戸地域を回りました。

 この地域は私も3度目で、「変わった部分」と「変わっていない部分」がわかるようになりました。

 まだ山のように積んである瓦礫などの選別は途上のようでしたし、請戸小学校や土台しか残っていない地域なども、以前に見たままでした。

 ただ、半年前には建設中だった焼却施設は今日が火入れだったとか。

 秋には鮭が遡上する請戸川を見ながら、あらためて原発事故がなければとの思いを強めました。

 ⑦最後は桜井勝延市長さんの案内で、南相馬市小高区の復興の要望も受けました。

 すでに商店街では家屋の解体などもあり、砂利で更地になっている区域も見られます。

 地元で頑張りたい市民の力もあり、いわば町をリフォームする形で復興を進めたいとのお話でした。

 伊藤委員長が代表して要望書を受け取りましたが、自治体ごとに現状を踏まえた国の支援が必要と思いました。

 それぞれ簡潔に書いたつもりでも、やはり1つ1つは大事な問題。

 少し私も整理して、質問などに生かせたら。

 何より原発事故さえなければ、との思いは消えません。

 今も避難生活を強いられている多くの方の、暮らしと生業を守るために頑張りたいとあらためて思いました。

 【今日の句】 この矛盾 どこまで首相は 知ってるか

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