2015年9月2日水曜日

可決に拍手が起きなかった

 農協法以来、しばらくぶりに衆議院農林水産委員会での質問。独立行政法人改革にかかわる難しめの法案ですが、つまりは研究分野をないがしろにしてはダメだと批判的に取り上げました。

 統合の対象となるのは、農業関連4法人(農業・食品産業技術総合研究機構、種苗管理センター、農業生物資源研究所、農業環境技術研究所)と水産関連2法人(水産総合研究センター、水産大学校)です。

 インターネット中継のビデオライブラリ(こちら)から見ることができますよ。

 問題は、何のための統合なのかと、その統合は何をもたらすか、です。

 今回の統合の理由には、研究結果が共有できるなどのシナジー効果が期待されるとしています。

 もちろん限度はありますが、それなら統合を進めるほどシナジー効果が生まれるということにもなってしまう。

 これまででさえ農業・食品産業技術総合研究機構は、独立行政法人制度の発足以降、16もの試験研究機関などと統合されてきています。

 報告シートには、研究分野の融合が進んで新たな成果が見られる一方で、多様な分野の業務が加わることで組織管理が困難になりつつあるとの指摘も見られます。

 さらに種苗管理センターは、2007年・2012年・今回と、統合相手が二転三転します。

 これらの経過や実態を見るに、統合する正当な理由を私は見出せません。

 そして統合によって、①職員や研究者の身分と労働環境・研究環境がどうなるか、②運営交付金の削減はあるのか、が懸念されます。

 運営交付金では、発足当初から農業関係の法人で約25%、水産関係の法人で約16%の削減になっています。

 節約とともに、北海道のバレイショ原原種配布価格は約1.5倍となりました。

 「生産者のもとに届くときには10円ほどになる」と答弁がありましたが、問題は金額でなく、交付金の削減によって受益者負担の方向が強まらないか、なのです。

 そもそも研究分野における、行政改革推進本部での議論がひどすぎる。

 委員会でも指摘しましたが、分科会WGでは、平気で受益者負担や“もっと成果を早く”のような意見が出されています。

 現場の苦労や努力を理解していない意見で、とんでもないものですよ。

 特Aランクをもらうようになった北海道のコメだって、コシホマレからきらら397まで19年、そこからゆめぴりかまで15年かかっているんです。

 それが研究の世界でしょう。

 北海道では先日、国内初のジャガイモシロシストセンチュウが見つかり、その抵抗種の開発が求められるわけですが、それだって簡単にできるものではない。

 生産者と研究者の苦労と努力があってこそ、今の農林漁業が成り立っている--この事実をふまえた支援こそ強めるべきだと思うのです。

 法案は可決されましたが、実は可決時の拍手が与党席から起きませんでした。

 今国会の農林水産委員会では初めてのことです。

 それが反対討論の効き目によるものなのかはわかりませんが、問題の所在が伝わった結果なら幸いです。

 久しぶりの委員会のため長々と書いてしまいましたが、しっかりした質疑をやってこそ国会議員。

 きちんと役割を果たしていきたいと、あらためて思いました。

 【今日の句】 政党の 統合効果 あるのかな

2015年9月1日火曜日

やっぱり日本は問題山積だ

 福島原発事故での農家への賠償、有明海訴訟原告団との懇談など、昨日から現地の話を伺っています。委員会で取り上げるべき課題が多く‥‥問題山積の日本!です。

 避難解除によって賠償の打ち切りとなるのか‥‥が大きな問題となっている福島。

 2年後に生活や地域社会が、以前のように戻るのかわからないのに、賠償を打ち切ることが妥当なのか。

 帰還促進と合わせて、それで事故がなかったこととされてしまうのではないのか。

 国や東電に対する不信感の大きさが、ひしひしと伝わってきました。

 そして、水質汚濁が進んでいるとリアルな話を伺った有明海問題。

 干拓工事の起工式から27年、あの「ギロチン」から18年が経ち、若い世代では「宝の海」「有明銀行」とまで呼ばれた、豊かな有明海を知らない人も増えているといいます。

 とはいえ、2010年に最高裁が開門の確定判決を出し、さらに異なる判決との関係にも「国が特段の努力を」と求めており、政府が確定判決を履行する立場に立つのかどうかが問われています。

 いずれも国策として進めてきた背景がある問題だけに、国が解決に責任を負うべき問題です。

 誤った国策をただすのが大変なことだと、つくづく感じる日々です(だから戦争法案は廃案を!)。

 法案審議は慎重に進めなければいけないし、建設的な提案もしますが、厳しいチェックを果たすという野党としての役割もしっかり果たしていきたい。

 明日は衆議院農林水産委員会が開かれることになり、独立行政法人改革に関する法案審議となります。

 私が11時35分から25分間、質問に立ちます(冒頭は北海道でのトドによる漁業被害問題を取り上げます)。

 ネット中継ありますので、ご覧くださいね。

 【今日の句】 白黒の バルーンの宿題 必ずと

2015年8月30日日曜日

今日も、明日も戦争反対!

 国会前10万人行動の熱気!が報道やインターネット上からも伝わってきます。私も北海道で呼応して行動。車から応える方、手を振る高校生‥‥この民意を安倍首相、受け止めよ!

 写真は紙智子参議院議員と駆けつけた札幌清田区のリレートークで、92歳の方もマイクを握りました。

 「戦争があるなかで、母が私を育ててくれて‥‥」

 この後、言葉が詰まりました。

 あの時代を、もうくり返さないでほしい。

 最後に振り絞った言葉が、とてもとても重たかった。

 国会前でも全国でも、戦争を体験された方で同じような思いをされた方もいるでしょう。

 侵略戦争の反省で生まれた日本国憲法。

 もう戦争なんかするな!の思いが全国で共有された、今日は歴史的な1日だと思うのです。

 そして、この動きを今日で止めてはいけないし、さらに大きな世論となるでしょう。

 明日も明後日も、戦争法案を廃案にするために私も国会内外で力を尽くします。

 参議院は、まだ今週の安保特別委員会の日程が決まっていません。

 明日に理事懇、明後日に質疑となるかもしれませんが、衆議院でおこなった地方・中央公聴会や参考人質疑などの日程は決まっておらず、日程としては相当きつくなってきています。

 そこで噂される「60日ルール」ですが、それでは参議院は何のために存在しているのかと、それだけで自民党内でも紛糾するかもしれません。

 勝負はこれから、たたかはこれから!
 

 今日の詳しい様子は「しんぶん赤旗」特別号外で、ぜひお読みください(大阪でも配布している!)。

 【今日の句】 このデモに どうでもいいじゃん 言うまいな