2016年10月26日水曜日

TPP審議状況(10/26)

 今日は国会を離れ、北海道・宮崎県での地方公聴会。私は北海道会場へ向かいましたが、市民のみなさんが寒いなかでもスタンディング!

 バスのなかでも話題になっていましたよ。

 まだまだ国民的議論は尽くされていないなかで、強行採決などもってのほか!というのは当然のこと。

 地方公聴会も今日だけでなく、さらに各地でおこなうべきです。

 さて、北海道での地方公聴会は公述人4人(①株式会社東和電機製作所専務取締役・浜出滋人さん、②北海道農業ジャーナリストの会幹事/酪農学園大学名誉教授・中原准一さん、③北海道漁協協同組合連合会代表理事専務・崎出弘和さん、④北海道農民連盟書記長・山居忠彰さん)が10分ずつ意見を述べて、各党が20分で質疑をおこなうというもの。

 政府を追及するのと違うのですから、敬意を表して、それぞれのお立場からTPPに関する意見を聞くのが公聴会です。

 中心的な意見をまとめると--

 浜出さんは、イカ釣り機械をはじめ海外輸出を進めるなかで、特許申請や模倣品対策についての角度からTPPを論じられました。

 中原さんは、北海道の農業の現状を訴え、かつ国民世論は慎重審議を求めていることを強調されました。

 崎出さんは、ホタテを中心にした水産物輸出の現状と課題、国際的な水産情勢について発言されました。

 山居さんは、政府の農産物に対する影響試算は農家では信用されておらず、安全保障の観点から食料自給の重要性を訴えました。

 各党から質問があり、上記の内容での意見に加え、食の安全への疑問、水産生産基盤の強化なども意見としてあがりました。

 私からは--

 浜出さんへ「特許保護は大事なこと。同時に、医薬品データなどが交渉経過で議論になり、また模倣品対策はTPP締約国以外の国への対策が求められている。したがって、TPPと特許の区別と関連の議論が必要だが、国会ではそのような議論もしていない。勉強会も必要と話されていたが、どうお考えか」

 浜出さん「ご指摘のとおり。私たちもわからないことが多いし、分野ごとの議論も必要だと思う」

 中原さんへ「酪農・畜産は、規模拡大を進めるほど投資も大きくなり、自然災害や病気が発生すれば被害も大きくなる。牛も年に1頭ずつしか産めないのだから、急な拡大もできない。その現状からみて、政府の乳製品や畜産対策の実効性をどう受け止められるか」

 中原さん「北海道の農家はめいっぱい(規模・頭数を)大きくしてきた。これ以上は限界だという感じだ」

 崎出さんへ「水産物の輸出は戦略的な必要性は理解している。同時に、第一次産業として国内の安定供給と、輸出を進めるということが、国会でも重要性が逆転しているような議論も見られる。国内向けと輸出向けの、基本的考えは」

 崎出さん「国内市場は縮小しており、漁業者の収入確保へ輸出も力を入れているが、国内の安定供給第一は当然。ただ、需要縮小や食育を進めても難しい現状もある」

 山居さんへ「WTOの時から、過去最大級の農産物輸入となるのは間違いない。しかし、政府の対策なるものはWTOなどと変わりないように見えるが、どのように受け止めるか」

 山居さん「デジャブのようだ。開放しながら農業構造改革を国内で進めるというのは、WTOの時と同じ。そのなかで残ったのが意欲ある農家だが、そこが今度は大変になる」

 私の記憶と記録で書いているので、正確でなければ容赦いただきたいのですが、ともかく①特許など国民的議論も国会での議論も必要な状況、②第一次産業において生産基盤強化は必要だが、TPPにもとづく対策には現場では疑問--という状況と受け止めました。

 明日は参考人質疑もおこないますが、このような議論を通じて審議を深めていくべきだと思います。

 今国会に限らず、まだ時間は来年だってあるのですから、たっぷりと議論したらいい。

 本来は政府・与党にとっても、国民理解が進むという点で徹底審議は有益なはずです。

 公聴会後に少し残って、TPPをはじめとした緊急国政報告会もおこないました。

 夜に上京し、明日の委員会に引き続き臨みます。

 【今日の句】 聞くべきは 米国よりも 国民の声

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