2016年11月26日土曜日

小泉敏夫さんのこと

 TPP講演会、医療と介護の全道集会とに参加し、夜は千島歯舞諸島居住者連盟の前理事長・小泉敏夫さんの通夜へ‥‥。

 紙智子参議院議員といっしょに、小泉さんとの思い出を語り合いました。

 色丹島出身の小泉さんは、鹿児島で終戦を迎え、その後根室に戻ってきました。

 しかし、旧ソ連軍により色丹島から住民は追い出され、「戦場にも行かず、樺太経由で追い出された苦しみも味わっていない」自分の置かれた現状が、その後の返還運動へみずからを突き動かす力になったのではないか、と紹介がありました。

 獣医師の免許を持ち、道庁勤務時は家畜保健衛生局長などをつとめ、道庁を退職後に千島連盟の第5代理事長に就きました。

 運動の先頭に立っている人、というと勇ましい姿を連想するかもしれません。

 しかし実際は、柔和で包容力もある、あたたかい言葉をかけてくださる小泉さんでした。

 党北海道委員会の新年交流会に、小泉さんもご参加いただいたことがあります。

 国政候補だった私が決意を述べて、あいさつに回ると小泉さんから「あなたを応援しますよ」と声をかけてくださいました。

 ありがたく、お言葉どおりに受け止めさせていただき、今の私を支えてくださっている言葉でもあるのです。

 理事長を退任されて1年半、ご家族の介護やご自身の体調とも向き合いながら、先日お亡くなりになったとのことでした。

 来月、日ロ首脳会談で千島問題での進展があるか、との報道も相次ぎました。

 元島民の方から、これまでも故郷に関する思いを聞いてきました。

 その声を誰よりも聞いてきた小泉さんだけに、解決を見ることができなかったことは残念だったかと思います。

 その遺志を、しっかり受け継がなければ。

 決意を新たに、小泉さんの遺影に最後のお別れをしてきました。

 【今日の句】 遺影から 変わらぬ笑顔と 遺志継いで

2016年11月25日金曜日

またも採決強行

 私は衆院決算委員会、参議院ではTPP中央公聴会‥‥その陰で、衆院厚労委員会では「年金カット法案」で採決強行!

 いったい何度、このような光景を見たでしょう。

 厚労委員会は、与野党の合意ない状況での委員長職権開会が、すでに6度目となっていました。

 しかも、今日の午前におこなわれた参考人質疑も、今日の朝に正式に決めるという異例中の異例の展開!

 参考人から意見を聞いたら、それを受けて質疑を深めるのが、あるべき姿と思います。

 それを今日のうちにバタバタとやりきって採決に進むとは、いったい参考人質疑を何だと思っているのでしょう。

 審議も深めず、しかも法案の中身がまたひどい。

 このブログでは書いてきませんでしたが、今国会での重要法案の1つです。

 年金額を決めるときには、2つの仕組みがあります。

 1つが「物価・賃金スライド」で、物価が上がれば年金も上がる--と解釈しがちですが、賃金とも連動させる仕組みとしたため、実際はなかなか年金は上がりませんでした。

 今度は、物価や賃金で低い方に合わせるので、年金カットありきと言わざるを得ません。

 さらに重大なのが、2つ目の「マクロ経済スライド」です。

 これは、高齢化・少子化のなかで年金財政も将来にわたって確保するとの名目で、調整率がかかって年金額が下がる仕組みです。

 実際は一度しか発動したことのない仕組みですが、その分を持ちこして(=キャリーオーバー制度)、年金が上がる環境のときには合わせて下げるというもの。

 だから将来に渡って下げることになるし、若い人が年金を受け取るときには、どこまで下がっているのか?という大問題です。

 野党が「年金カット法案」と呼ぶのに対して、自民党からは「転ばぬ先の杖法案」と、将来にわたって制度を維持するものだとの応酬となっていました。

 しかし、現行の低年金で多くの高齢者が暮らせない現実を、どう考えているのでしょう。

 年金財政を守ることを名目に、株価にまでジャンジャンつぎ込むようなことなど許されません(諸外国では、せいぜい国債にとどめています)。

 TPPに続く採決強行劇に、いったい安倍政権はどこまで暴走するのか!とふつふつ‥‥。

 私は今日、決算委員会では林業とTPPの関係、JR北海道の問題を取り上げました。

 長くなるので、ぜひ衆議院インターネット中継(こちら)から、ご覧ください!

 参議院TPP特別委員会は、そういうわけで中央委員会の議論の様子がわからないのですが、来週の審議の日程は決まっていないようです。

 与党は会期延長を狙うようですが、悪法を通すための延長だなんてとんでもない!

 【今日の句】 強行は 都合の悪さを 告白し

2016年11月24日木曜日

TPP審議状況(11/24)

 今日は総理入りの集中審議、明日は中央公聴会。来週の日程は決まっていません。会期は延長せず、TPP協定・関連法案とも廃案を!

 今日の集中審議は、安倍首相が外交日程を終えての後だっただけに、とりわけ米国との関係についての質問が多くなりました。

 まとめれば、TPP発効は厳しくなってきたけれど、日本はTPPを批准して保護主義の蔓延をくい止める意思を示すんだ、との答弁。

 しかし、国内の重要産業や雇用、環境やくらしを守るルールを壊してまで貿易を進めることを「国益」と言うのでしょうか。

 今のグローバル資本主義のもとで、各国の国民が反対しているのは単純な「保護主義」とは違う。

 格差と貧困が広がり、富の再分配を求め、安心してくらせる環境を--これが根底にある国民的要求なのではないでしょうか。

 その要求を政治家が「利用」することがあってはなりませんが、安倍首相が言うような単純な「保護主義の広がり」ではありません。

 トランプ氏が、大統領就任の初日にTPPを離脱すると表明したことで、この国会で承認をすすめる意義はあるのでしょうか。

 たとえ総理が「保護主義の蔓延をくいとめる」ためと言おうとも、国会は協定の中身や問題点を国民の前に明らかにするのが責任であって、総理のいうことを実行するのが国会の役割ではありません。

 総理の勝手な要求にこたえ、TPP批准のための会期延長など、もってのほかです。

 今日の審議で、日本共産党は田村智子参議院議員が質問に立ち、薬価改定に米国の製薬企業が「利害関係者」として関与できるのではないかと問いました。

 こちらから「環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会」を選んで、ぜひご覧ください!

 明日の参議院の委員会は中央公聴会ですが、衆議院では決算委員会があり、私が林業をテーマにTPPとからめて質問します(14:40~15:05、インターネット中継あり)。

 TPPの代わりに日米FTAを、トランプ氏が求めてくるかもしれないという状況もあり、くりかえしTPPの問題点を明らかにしておくことは大事だと思います。

 雪が降った東京でしたが、寒いなかでも議員会館前での抗議行動が続けられ、私も連帯あいさつ。

 心ひとつに、また明日もがんばります。

 【今日の句】 悪政の 土俵広げは 許さない

2016年11月23日水曜日

JR北海道の矛盾は誰がつくったのか

 勤労感謝の日にも働く人がいて、JR北海道の社員もその1人。質問の機会ができそうで、氷点下の札幌で懇談に‥‥。

 手の内を見せるわけにはいかないので書けないのですが、国鉄の分割・民営化にさかのぼることは避けて通れないと再確認。

 そもそもJR北海道は、単体で見れば赤字路線であることは間違いなく、だから国も経営安定基金を積んできたはずです。

 しかし、当初の高利率で経営を支える目論見は、国みずからの低金利政策のもとで崩れてしまいました。

 そのしわ寄せが、社員や安全・サービスに押し付けられたということではないのか。

 JR北海道社長は、道民に対して「マイレール意識を」と呼びかけていますが、JR北海道こそ北海道の公共交通の主軸として自覚を示してほしい。

 何より国が、ヨーロッパでは当たり前である国民の交通権を保障する立場に立つことが必要です。

 そして、この段にいたっては道知事が何のイニシアチブを発揮できないのなら、何のための知事なのかとなります。

 分割・民営化から来年で30年。

 それだけに矛盾も蓄積して、一筋縄では解決しないでしょうが、問題の根本は提起していかなければと思っています。

 【今日の句】 公共の 持つ意味重く 自覚して

2016年11月22日火曜日

TPP審議状況(11/22)

 福島県沖を震源とする地震・津波で、ケガをされたという方も。米国ではトランプ氏がTPPからの離脱をあらためて表明しました。

 私も起きて間もなくの時間で、テレビをつけた途端に津波警報が。

 避難するよう「東日本大震災を思い出してください」とのアナウンサーの言葉が、確かにこれ以上の注意喚起の言葉はないのでしょうけど、胸にグサリと突き刺さるようでした。

 あの日を思い出して、心が1日重かったという方もいたのではないでしょうか。

 福島第二原発の使用済み燃料プールでも一時、冷却水を送れない事態にもなりました。

 地震が起きるたび何度、このような苦しい思いをしてきたでしょう。 

 やっぱり原発はなくすべきだ、とあらためて思いました。

 トランプ氏のTPP離脱表明ニュースがかけめぐるなか、衆議院では農林水産委員会、参議院ではTPP特別委員会が開かれました。

 農林水産委員会で、私は鳥獣(主にシカ・イノシシ)による農作物被害への対策と支援について質問しました。

 耕作放棄地が増えたことで山中のシカなども生息域が広がってきたのですから、鳥獣被害対策と耕作放棄地対策は一体として進められるはず。

 実は山口県に、そのような問題意識での放牧が進んでおり、その事例を紹介しながら施策と予算の拡充を求めました。

 TPP特別委員会では、冒頭に昨日の辰巳議員の質問に対する正式答弁がありましたが、まだ辰巳議員の質問の機会はあるでしょうから続きに期待。

 紙智子参議院議員は、遺伝子組み換え食品を例に食の安全について、日本政府の見解を求めましたが石原TPP担当相は正面から答えず。

 明後日は午後から、総理出席のもと集中審議をおこないます(NHK中継あり)。

 日本共産党は田村智子参議院議員が14:52~15:22で質問に立ち、薬価問題を中心に質問します。

 25日の中央公聴会公募が締めきられましたが、公募総数は53人で、うち反対の表明者が49人とのことです(賛成3、保留1)。

 昨年の安保法制では90人を超える方が公募しましたが、きっとそれに次ぐ数でしょう。

 トランプ氏がTPPを離脱したら、二国間協定(日米FTA)を視野にしていると報道されています。

 TPP批准阻止へ最後まで力を尽くしつつも、さらに問題点を明らかにしていくことで日米FTAを止める土台にもなっていくはず!

 【今日の句】 急ぐなら TPPより まず復興

2016年11月21日月曜日

TPP審議状況(11/21)

 日本共産党・辰巳孝太郎議員の質問に対して答弁不能に! 明日に答弁するとなったようですが、また1つTPPの矛盾が明らかになりました。

 TPP協定の第10章には「国境を超えるサービス貿易」という章があります。

 この章もよりどころに日本政府は、日本の中小企業なども「いながらにして海外展開できる」と吹聴してきました。

 第6条には「‥‥自国の領域において、代表事務所もしくは何らかの形態の企業を設立し、若しくは維持し、又は居住することを要求してはいけない」とあります(「現地拠点設置要求」禁止といいます)。

 進出先に企業の拠点がないと、どうなるのか?

 辰巳議員は「民泊」を例に取り上げました。

 民泊をめぐっては、例えばマンションの1室を使った場合に「ゴミ収集日ではない日にゴミが出されている」「騒音がひどい」「オートロック機能の意味がない」などの声が出ています。

 いま世界最大の民泊仲介業者は Airbnb で、日本でも45,000件が登録されています。

 本社はアメリカで、営業拠点はアイルランドとのこと。

 TPPで現地拠点が禁止されれば、安全や衛生などで問題が起きた際に、外国法人に立ち入り検査ができるか?--日本に拠点があれば罰則などもできるのですが、それが課されなくなります。

 そもそもTPPは、内外無差別が原則のはず。

 日本国内は旅館業法にもとづき、建築基準法や消防法などもクリアしなければなりません。

 日本の旅館やホテルは規制が厳しく、日本に拠点を置かなくてよい企業は規制を逃れられるのでは、内外無差別どころか外国企業優遇であり、TPPの原則にも反することになるでしょう。

 「拠点」を要求すれば、TPPに反することになるでしょ?--これに政府が答えられず、後日に調整のうえ答弁となったわけです。

 TPPの根源的な問題が、浮き彫りになりました。

 辰巳議員は「租税回避の問題を次回に」と述べましたので、次回の質疑もぜひお聞きください。

 山添議員も、ISDS問題で引き続き質問していますので、こちらからご覧ください!

 さて私は、明日の農林水産委員会で、鳥獣による農作物被害問題を取り上げるため準備の1日。

 インターネット中継ありで、斉藤和子議員が11:30~11:45、私が11:45~12:00の予定です。

 【今日の句】 結局は 強い企業が 勝つ仕組み

2016年11月20日日曜日

暴走はよされ

 雪の積もる比布町で、おぎう和敏・道小選挙区6区予定候補、真下紀子道議と演説会。何とオープニングには‥‥。

 写真でわかるでしょうか、津軽三味線!

 演奏されているのは、今年の第10回津軽三味線日本一決定戦で見事「第八代日本一」に輝いた菅野優斗さん。

 お住まいが比布町とのことで出演もOKしていただき、津軽じょんがら節の迫力に参加者一同で大きな拍手!

 ちょうど青森の自衛隊員に先日、南スーダンPKOとしての活動に「駆けつけ警護」の任務が付与されたばかり。

 よされ節も演奏されたのですが、安倍政権の暴走を「よされ」(よしなさい)のごとく(※よされの語源は諸説あるようです)。

 南スーダンの現状は和平合意が明らかに崩れているのに、なぜ安倍政権は送り出すことにこだわっているのでしょう。

 自衛隊が海外で、武力をともなう活動に参加できてこそ「普通の国」とでも信じているのなら、憲法9条を持つ日本の首相として相応しくありません。

 そうでなくても、TPPや沖縄での強権姿勢、貧困と格差の拡大に追い打ちをかける増税やサービス削減などなど、国民の願いに反することばかりの安倍政権でした。

 私の野党共闘の話にも大きな関心が寄せられましたが、立憲主義・民主主義・平和主義を回復するために野党が力を合わせる時と、誰もが感じているところ。

 農業が基幹産業の上川管内・比布町ですから、TPPとともに規制改革推進会議のクミカン廃止などの暴論にも怒りが噴き出してきています。

 来賓に町議会議長さんまで見えられて、最後まで演説を聞いていただき感謝の言葉しかありません。

 力を込めた演説会の後は、菅野さんとも記念写真(手に持っているのは発売したばかりのCDです)。

 英気を養って、また明日から忙しい国会が始まります。

 【今日の】 北の地で 音色に乗せて メッセージ