2017年2月3日金曜日

その外交姿勢に道理なし

 戦後処理の不公正をただす反論さえしないのか--日ロ領土問題で安倍首相に問いましたが、開き直りとしか受け取れない答弁!

 今日の衆院予算委員会で、日本共産党からは私と清水忠士議員が質問に立ちました。

 日本共産党は、日ロ領土問題の解決へ、(1) 北海道の一部である歯舞群島と色丹島については、中間的な友好条約によって速やかな返還を求める、(2) 千島列島返還を内容とする平和条約を締結する--という段階的解決を主張してきました(こちら)。

 その立場で、私が質問したテーマは2つ。

 ①日本外交の基本姿勢と到達点から見ても、領土交渉は後退している

 ②戦後処理の不公正にメスを入れる、対ロ領土交渉の転換をはかる

 ①ですが、昨年12月の日ロ首脳会談で発表された「プレス向け声明」には、領土問題にかかわって4島の名前が記載されていない点を問いました。

 プーチン氏が大統領になってから、日本首脳との「共同声明」は4回出されています。

 2000年~2003年までの3回は、いずれも「択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島の帰属に関する問題を解決」することにより平和条約を締結すると明記されてきました。

 しかし安倍政権下の2013年の「共同声明」は、4島の名前は消えて「これまでに採択された全ての諸文書及び諸合意に基づいて進める」にとどまる記述で、しかも両首脳のサインはない形で発表されました。

 そして昨年。

 会談前に、プーチン大統領の「領土問題は全くない」との発言も報じられました。

 総理は指摘や反論をしたのか--私からの問いに「これまでも主張し続けてきた」との主旨をくりかえしました。

 私からは、元島民や根室市の窮状を訴えました。

 まったく反論がないことで最も心を痛めるのは元島民であり、これまで島が帰ってこないことで根室市は経済的にも社会的にも大きな痛みを受けてきました。

 それは、なお今も続いています。

 総理もその点は認め、私からは根室市へ行ってほしい強く要請。

 領土交渉の中身を現地で総理みずから話し、現地の話を聞くことが必要だと思ったからです。

 ②では、ヤルタ協定を中心に問いました。

 ヤルタ協定は、ソ連の対日参戦の条件として千島の「引き渡し」を米国・英国が認めた密約(1942年)です。

 戦後処理の大原則は「領土不拡大」であり、ヤルタ協定はそれに反するものです。

 日本政府は、ヤルタ協定に「かかわっていなかった」との立場を強調してきましたが、はたして安倍首相はそれを指摘や反論してきたのか。

 首相は「当事国ではない我が国は、ヤルタ協定の内容と領土不拡大原則の関係について説明する立場にない」と、戦後処理に不公正をただす姿勢に立っていない姿勢を吐露しました。

 「反論しても1ミリも動かない」と述べるのに、私からは「歴史的事実に基づいて反論するのは当然のことだ」と反論。

 これまでの外務省の公式文書を見ても、厳しいやりとりになった内容も含めて記載しているのに、ヤルタ協定については反論した記載もないのです。

 つまり、首相の言う「正義を言い合っても進まない」のではなく、そもそも言うべきことを言っていないではない、ということの告白。

 重大答弁です。

 私は、これまでの領土交渉の方針の、抜本的な再検討を強く求めました。

 外交問題は平行線になることも多いのですが、首相が戦後処理の不公正をただす立場に立てていないことが明らかになったと思います。

 首相は今年の早いうちにロシアへ行くようですが、同じことの繰り返しではいけない。

 あらためて問い続けねば、と痛感しました。

 この質問の準備に、根室市で元島民のみなさんなどから話をうかがいました。

 本当にありがとうございました。

 新たな決意で、さらに臨んでいきます。

 【今日の句】 行きづまり ただす道理は 力ある

2017年2月2日木曜日

明日、総理に問う

 今国会最初の野党4党共同法案(通称「マルキン法案」)を提出。明日は予算委員会で、日ロ首脳会談について質問です!(15:28~15:55、ネット中継)

 「マルキン」とは、緊急の「緊」に○マークをつけていたことから通称とされた、肉用牛・肉豚販売での補てん事業のことです。

 標準的な販売価格が、標準的な生産費を下回った場合に、その差額を補てんします。

 TPPのもとでは牛肉・豚肉の価格下落が予想されることから、政府はTPP関連法案の1つとして、中身を拡充(補てん率を8割から9割へ引き上げ、豚マルキンは国庫負担水準を引き上げ)した改正法として提出し、成立となりました。

 しかし、TPP対策としているために、施行期日はTPP発効に合わせてとなっているのです。

 米国の離脱で発効できないなか、野党4党案は施行期日を「公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日」と改正するものです。

 そもそも畜産農家の生産基盤は深刻で、今でもマルキン事業は発動されています。

 TPPだから拡充ではなく、生産基盤を支えるものなら一刻も早く拡充すべきものです。

 昨年も同内容で、野党4党で法案提出しましたが、TPP特別委員会で審議未了・廃案となっていました。

 そこで今度は農林水産委員会の議論に付すため、提出に至ったわけです。

 記者会見では、国会内での共同の一環として進めてきたことと説明しました。

 こういう仕事を1つ1つ実らせていきたいし、与党も委員会での議論へと受け止めてほしい。

 さて、明日の予算委員会は準備に準備を重ね、日ロ首脳会談や領土交渉を問います。

 予算委員会は(どの委員会もそうですが)、理事会で審議日を決めていくため、だいたいの見当をつけながら議員団として質問の分担をしています。

 総理に問う機会は多くありませんし、とりわけ総理みずからおこなう首脳会談は、こういう時でないと、なかなか問えません。

 なお、私の次に清水忠史議員が27分間、カジノ問題を中心に質問しますので、そちらもネット中継で!

 【今日の句】 壊された 基盤を直そう 共同で

2017年1月31日火曜日

なぜ安倍首相はダンマリなのか

 トランプ米大統領の入国制限措置は、極めて重大な国際問題になっています。速やかな撤回を求める談話も、志位和夫委員長名で発表しました(こちら)。

 談話でも触れていますが、米国を含め国連総会で全会一致で採択された国連「グローバル対テロ戦略」の大原則に真っ向から反しているもので、極めて有害です。

 米国の同盟国の首脳やアラブ連盟からも批判や懸念の声があがるなか、日本の安倍首相は「コメントを控えたい」と言い続けています。

 これもまた「日米同盟第一」がゆえなのか。

 しかし、これだけ重大な国際問題となり、テロ根絶へも重大な逆流をつくりだしているだけに、ノーコメントで済ませてはいけないはずです。

 いつも首相は、国際問題においては法と正義による支配の重要性を語っているではありませんか。

 自由と民主主義の重要性を、否定してこなかったではないのですか。

 訪米と会談を前に多くの不安と懸念があり、何とか質しておきたい。

 今日は国会議員団農水部会として、田代洋一さん(横浜国立大学名誉教授)から「安倍農政」についての話をたっぷりとうかがいました。

 同時に、グローバル化・グローバリゼーションの今日で、農業政策の充実・発展という宿題も背負った1日にも‥‥。

 【今日の句】 下駄の雪 官邸だけは 解けぬよう

2017年1月29日日曜日

心ひとつに

 第60回道党会議であいさつし、用務のため東京へ到着したら何と暖かい‥‥気温が15℃ほど違うようで、おおげさですが違う国に来たかのよう。

 札幌はツルツル歩道だったのに‥‥北国の生活の厳しさを再認識しました。

 道党会議では、解散・総選挙に向けて発表された小選挙区予定候補とともに私も紹介されました。

 市民と野党の共闘勝利、そして日本共産党の躍進へ!と、私が代表して決意表明。

 解散・総選挙だけは、いつあるかわからないだけに、とりわけ今年は緊張が続く1年となります。

 小選挙区予定候補のみなさんとも、何より現場で粘り強く奮闘している党員・後援会員のみなさんとも心ひとつにがんばっていきたい。

 さて、安倍首相が来月10日にトランプ米大統領と会談するようです。

 とりわけ通商分野と安全保障問題で、米国から何らかの要求が突き出されることは確実でしょう。

 安倍首相は、この間の国会答弁でも二国間協定についても否定しませんでした。

 しかし、日本の貿易においては「今後はTPP協定がスタンダード」と言っている以上、米国の利益追求にTPP以上の要求をトランプ氏が迫ってくることは十分に考えられる。

 TPP審議のときも、きまって首相は「日本の国益に反するような合意はしない」と述べてきましたが、果たしてトランプ氏に対して何と主張するのか。

 これまでの日米交渉の歴史を見ても、結局は押し切られ、「日本の主体的な」という形で国内の政策変更が進められたことは間違いありません。

 日米同盟絶対という基本姿勢を、見直すことが必要ではないのか。

 安全保障問題とリンクするのであれば、軍事力依存から脱する、アジア情勢を平和的方向へ進めるための議論も必要ではないのか。

 対話と合意を重視するASEANの取り組みなど、国際的には学ぶべきことも多くあるはずです。

 しっかり政府の外交姿勢についても質していきたい。

 【今日の句】 冬と春 コート2つも 持てないし