2015年6月2日火曜日

いったい何のための農協改革か

 農協法等改正案について、今日の農林水産委員会で質問に。農業者以外にはわかりにくい法案ですが、この改革の行き着く先は協同組合の否定!と思います。

 焦点の1つは、全中による監査を廃止すること。

 これまでの監査というのは、全中から単協に対して、会計監査と業務監査を一体におこなってきたわけです。

 それは農水省としても評価してきたのですが、それは時に不採算と言えるような状況にあっても、農業者を丸ごと(営農でも生活でも)支える意味があったからです。

 しかし、規制改革会議などからの指摘で、会計監査を透明化することの求めに応じることとなりました。

 農協は、赤字事業を黒字の信用・共済事業で穴埋めしているとの批判があります。

 しかし、営農事業など黒字になるはずもなく、一体に総合農協として成り立っていることに意味があるのです。

 業務監査が外されて会計監査のみが進めば、営農指導など赤字部門に焦点が当てられることになるでしょう。

 組合員から求めが強い営農指導が、赤字だからと人が減らされたり、指導料が引き上げられたりすることがあれば、組合員には何のプラスにもなりません。

 そのような私の指摘に対して、なかなか恐れがあるとは認めない農水省。

 しかし、規制改革会議では農水省から、会計監査と業務監査を一体にする意義を説明しているのです。

 結局は規制改革会議などに押し負けられている格好ですが、ともあれ法案として出ている以上は、その結果、何が起きるのかはよく見る必要があります。

 監査問題で手短かに書きましたが、農協法・農業委員会法・農地法のどの改定も大きな問題点をはらんでいると思っています。

 じゅうぶんな審議時間が必要ですし、何より当事者から意見も聞く必要がありますし、現場から声も発してほしい。

 年金個人情報の流出問題も噴き出したし、「戦争法案」についても通させるわけにはいかない。

 日々勉強の毎日でもありますが、地に足をつけて論戦と活動を進めたいです。

 【今日の句】 協同の 意味を踏まえぬ 金儲け

2015年5月31日日曜日

TPPは命をも脅かす

 今週の質疑に備えて、日曜のうちに上京しました。珍しく暑い北海道でしたが、やっぱり東京も暑い。暑さ負けしないで、今週も安倍政権の暴走にしっかり立ち向かいたいと思います。

 週末の北海道で各種集会などに参加したうちの1つに、道医師会が主催した「TPPと医療を考える道民集会」は、あらためてTPPがもたらす悪影響を学び直しました。

 主催者を代表して長瀬清会長は「声を上げなければ賛成と取られる。皆保険制度が危ないことになりかねない」と、あいさつされました。

 その後はNPOアジア太平洋資料センター(PARC)内田聖子事務局長の講演があり、内田さんからは規制緩和は今後も続く危険性があると指摘しつつ、しかし国際的には反対の声が広がっていることも紹介されました。

 道歯科医師会・道薬剤師会・道消費者協会から、それぞれ代表しての発言がありました。

 特に、すでに歯科では混合診療は解禁されているなか、そのベースが広がれば生活困窮者は経済的負担が重く病院に来られなくなるし、経営上からしても若手医師に負担を負わせることになるとの発言に、とても納得しました。

 ISDS条項への懸念も強く、国民皆保険が守られなくなるのではと集会決議にも一項あげられていました。

 全体としてTPPに対する不安が強く出された集会でした。

 この期に及んで、与野党を問わず国会議員にも条文などは開示されていませんし、上記のような不安が広がっているのに安倍政権は妥結に前のめりになっています。

 それでいいのか。

 私の所属は農林水産委員会なので第一次産業からTPP反対を訴え続けているのですが、医療だけでなく雇用、経済、公共事業など多岐にわたる問題点がTPPにはあります。

 情報開示とともに、変わらずTPP反対の姿勢でかんばりますが、何よりカギは世論の高まりにあります。

 全国を見て、このようなTPPに関する集会を持った県医師会が他にあるのでしょうか。

 まだまだ、これからTPPをめぐるたたかいになってくると思います。

 【今日の句】 自由化と 弱肉強食 違うから